●「グッドライダーミーティング」というバイクの安全運転講習会が行われています。
●初心者からベテランまで参加でき、人気を博しています。
●リターンライダーは「運転の勘を取り戻せる」と、大好評です。
全国で実施されている「グッドライダーミーティング」
「グッドライダーミーティング」(Gミーティング)は、一般社団法人日本二輪車普及安全協会(日本二普協)が、各地の警察本部、交通安全協会などの協力を得て行っているバイクスクールです。47都道府県でそれぞれ実施されており、運転トレーニングをしたいというライダーから大人気を博しています。
初心者からベテランまで誰でも受講できる
Gミーティングの参加者は、運転経験が6年以上のライダーが全体の56.8%、6年未満が43.2%です。1年未満のライダーも11.2%あり、初心者からベテランまで幅広い層が参加しています。また、「参加してタメになった内容」は、「ブレーキング」、「バランス」、「コーナリング」など、バイクを運転するのに欠かせない重要な技能がまんべんなく支持されています。
■参加者に感想を尋ねると――
①リターンライダーの場合
「大学時代の4年間、バイクの走りを目いっぱい楽しみました」と話す50代の男性。久しぶりに乗ってみると、「いやあ、あまりにも自分の下手さに驚いてしまいました」と、しょんぼり。それでも気をとりなおして、1日かけて熱心に基本技能をトレーニング。「また昔のように、峠道を気持ちよく走りたいですね。今日は自分を見直すいい経験になりました」と満足そう。
②夫婦で参加したライダーの場合
長男がバイクに乗り始めたという50代の男性は、「子供がバイクに乗り始めたら、『自分たちも乗りたい』と、私たち夫婦もバイク熱に火が着きました」と話し、夫婦で一緒に大型二輪免許を取得して、Gミーティングに参加するようになったそう。
そんなふうに仲良くバイクに乗っている両親の姿を見て、長女も二輪免許を取得。ついに家族みんなで楽しむバイクライフが始まったとのこと。
「自分たち夫婦もそうですが、子供たちもしっかりスキルアップして、安全にバイクを楽しんでほしいですね。こういう気軽に参加できる講習会があるのはとてもありがたいと思います」と、嬉しそうに話していた。
リターンライダーには“再学習の場”
Gミーティングの参加者を年代別にみると、40代以上が65.1%を占めています。運営担当者は、「二輪車のユーザー全体が高齢化しているので、その状況を素直に反映した結果になっています。私たちとしては、バイクに乗り始める年代である若い人たちにもっと参加してもらいたいと考えていますが、一方で40代以降の参加者の中には、いったんバイクに乗るのをやめて再び乗り始めるという、いわゆる“リターンライダー”がかなり含まれています。そうした人たちは“第二の初心ライダー”ともいえるわけで、Gミーティングは再学習の場としても機能していると考えています」と話しています。
運転技量を認識し「危険予知・予測」を心がける
Gミィーティングのインストラクターは、「技能の指導をするうえでとくにリターンライダーに対して留意していることは、体力や反応速度が低下していることと、バイクの性能が格段に向上していることのギャップを、早く理解してもらうことだと考えています。たとえばブレーキをかけたときなどに、反応速度が遅くなることでどれくらい空走距離が長くなるか、具体的な数字を出して理解してもらうようにしています」と話します。まず頭で理解してもらい、それを日ごろの運転に生かすのが大事。
また、「中高年の人たちは人生経験も豊富で、自分の行動がどういう結果になるか予測することに長けています。ブレーキング、コーナリング、バランスなどの訓練をしながら、危険予測・予知を心掛けてもらうことが重要で、その点をアドバイスしながら講習を行っています」と話していました。
「Motorcycle Information」2015年5月号・ズームアップより
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